MyriaView1.0

MyriaView:多様なデータの可視化・独自の領域抽出を低価格で

MyriaView(ミリアビュー)は、医学・生物学分野や非破壊検査などで用いるX線CTやMRI、共焦点顕微鏡、物理シミュレーションなどのデータを3次元的に可視化するソフトウェアです。2次元以下の表示も可能です。入力データとして、3次元1チャンネルだけでなく、種々の次元数・チャンネル数からなる多様なものを扱うことができます。研究過程で導入した、ベクトルやテンソルなど様々な次元数・チャンネル数の特徴量の分布も、その度に表示ソフトを開発することなく簡便に概観することができ、作業量の大幅な軽減につながります。

MyriaViewは、3次元可視化に不可欠な領域抽出機能について、独自の等値面構造解析手法に基づき、サイズ範囲指定による表示領域の抽出空洞領域・個別領域の抽出などを実現します。データ値の分布だけでは分からなかった新たな発見があるかもしれません。

MyriaViewは、数十万円から百万円規模の高額なものも見られる高機能の3次元データ可視化ソフトに対し、機能を可視化に必須のものに絞り、有償フルライセンスで十万円以下(1ライセンスの場合)と低価格で販売致します。

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Simple Demo of MyriaView: How Many Cubes Inside?
     
さそり座total
2D Example: Extraction of a Constellation (Scorpius)

MyriaViewの特長

MyriaViewは以下のような特長を有し、等値面による領域抽出の他、多様なデータの操作、入力データの正確な特性理解を支援します。

(1)入力データの指定した表示チャンネルについて、等値面構造解析による領域抽出と表示(等値面内の領域サイズを基準とした領域抽出、空洞領域の選択抽出、複数領域からの個別領域抽出、等)を実現します。

(2)多様なデータの可視化に対応するため、多次元(27次元まで)・多チャンネル(256チャンネルまで)の入力データから、ユーザが選択した3次元以下の表示空間軸と4チャンネル以下の表示チャンネルについて、指定した条件で入力データを変換し表示します。

(3)入力データ形式として、CSVファイル・バイナリファイルなど簡素で汎用的なものを処理可能とします。この際、データの構造情報は別にファイル保存し再利用できます。単純な形式のファイルに保存されたデータ処理やシミュレーションなどの結果を、容易に表示可能とします。

(4)入力データを入力チャンネル・空間軸に従って表形式で表示します。また、表中の入力データ要素と、可視化された表示空間中の位置との関係を確認可能とすることで、両者の次元が異なる場合特に困難な、入力データと表示空間との関係把握を容易にします。

(5)カラーマップの条件設定から3次元のカメラ回転パラメタに至るまで、入力データの表示条件を選択肢と整数値で指定可能とします。データ間の比較などを行う際に、表示条件の統一を厳密に行うことができます。

MyriaViewの可視化機能

3次元的なデータの可視化:従来法の課題

現在、医用分野をはじめとして生物研究や非破壊検査などの分野でも、様々な種類のX線CTやMRI、超音波画像診断装置や共焦点顕微鏡などを用いて、3次元データを利用する機会が数多く見られます。

3次元データは3次元形状などの情報を含み、断面像の系列でなくボリュームレンダリングなどにより3次元的にデータを可視化することは大変有効です。しかし3次元表示の際は、観察する際にある部分が他の部分を隠蔽(オクルージョン)する可能性を考慮し、何らかの形で注目外の領域を表示から除外する必要があります。

画像中から注目領域を抽出する手法は多数研究されています。しかし、多くの場合手法の効果は抽出対象や画像化装置の特性に強く依存します。より基本的なものとして現在でも広く行われる方法は、ボリュームレンダリングの際に指定したチャンネルの値(画素値)の大きさと透明度を対応付け、注目領域以外を透明なものとして観察するものです。しかし、注目外の領域が注目領域と同程度のチャンネル値を持つ場合に、注目領域のみを抽出することは困難となります。一方で、注目領域におけるチャンネル値の変動が大きい場合には、注目領域を適切に抽出することが困難となります。

MyriaView: 等値面構造を利用した可視化

MyriaViewは、従来とは異なる方法で3次元データの可視化を実現するソフトウェアです。MyriaViewでは、指定したチャンネルについて表示空間の3次元的な等値面構造を求め、注目領域に対応する等値面内領域を表示します。この時、等値面の選択基準としてチャンネル値と共に等値面内の領域サイズを利用します。これにより、チャンネル値に関わりなく注目するサイズの領域を表示することが可能となります。

表示空間中の等値面について網羅的に領域サイズを求めるには複雑な手続きが必要です。しかし特徴量自体はチャンネル値と同様単純なもので、基本的な領域抽出への導入に適しています。チャンネル値と表示空間が離散化されている場合に等値面の総数は有限とできるので、MyriaViewでは効率的に等値面解析を行うアルゴリズムにより、指定した離散化条件の下で全ての等値面の領域サイズを算出しています。

下図は、内外のチャンネル値が種々の値をとり、チャンネル値を基準とした閾値処理で抽出が困難な小空洞領域を、領域サイズを基準に抽出した例です。MyriaViewでは、領域サイズを基準としてチャンネル値の異なる複数の注目領域を抽出することが可能です。

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下図も同様の手続きにより、凸部を持つ空洞(これと接する対象内面の凹部と対応)を抽出した例です。上図も同様ですが、空洞領域は最外周と近似したチャンネル値をとっており、チャンネル値を基準とした閾値処理では注目領域が外周領域に隠蔽されて観察困難となっています。MyriaViewでは近似したチャンネル値の複数の領域から、領域サイズを基準として注目領域のみを抽出することが可能です。

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頭部MR画像を対象として内部器官の領域抽出を行った例を下図に示します。チャンネル値を基準とする領域抽出(下限を指定した高チャンネル値領域・上限を指定した低チャンネル値領域)では、微小な雑音領域や過大な頭部外領域が抽出されて注目領域の観察を妨げています。一方MyriaViewによる領域サイズを基準とした抽出では、これらの領域は除外されて注目領域の観察が容易になっています。

領域サイズのみを基準としているため、等値面内/外がそれぞれ前景/背景となる場合(実領域)と背景/前景となる場合(空洞領域)のいずれも抽出対象となります。MyriaViewでは、これらのうちいずれか一方のみを表示することも可能です。また、各等値面により囲まれた領域は、個別に抽出表示することが可能です。

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※input image = http://graphics.stanford.edu/data/voldata/ (public domain)

様々な領域抽出機能の実現

上記を含め、MyriaViewでは等値面構造解析に基づいて(1)チャンネル値を基準とする領域抽出、(2)領域サイズを基準とする領域抽出、(3)実領域/空洞領域の選択抽出、(4)極値領域(極大値/極小値)の抽出、(5)個別領域の抽出、(6)カーソル周辺領域の抽出、などを実現します。

多様なデータを扱うための機能

多次元・多チャンネルデータを簡便に低次元表示

近年、医用分野では時空間4次元画像を含む高次元画像が利用可能となり、各画素の値もスカラからベクトル・テンソルなどで表現される、多次元・多チャンネルの画像を扱う機会が増大しています。また、多数のセンサから得られる信号データ系列や、表計算ソフトで扱うような表形式で表現される多チャンネルデータについて、チャンネル相互の関係を3次元的に観察したい場合も想定されます。

MyriaView では、多次元(27次元まで)・多チャンネル(256チャンネルまで)の入力データから、ユーザが選択した3次元以下の表示空間軸と4チャンネル以下の表示チャンネルについて、指定した条件で入力データを変換し表示します。

表示空間軸と表示チャンネルは、入力データの空間軸とチャンネルから簡便な手続きで選択できます。3次元ではボリュームレンダリング表示、2次元では画像表示、1次元ではグラフ表示を行います。高次元データから得られる低次元の投影像や断面像が、簡便な操作により表示できます。MyriaViewの等値面を用いた領域抽出機能は、2次元画像などに対しても適用できます。

表示対象外の入力空間軸と入力チャンネルは、表示結果を求める際の評価範囲を必要に応じて制限することが出来ます。

簡素で汎用的な入力データ形式を利用

計測装置から得られるデータを用いて研究を進める場合、データに処理を加えて新たな情報の多次元分布を抽出しようとすることは頻繁に生じます。また、シミュレーションにより多次元的なデータを生成する場合もあるでしょう。その際、これらを3次元的に表示するために、使用する可視化ソフトで利用可能となるよう出力データの形式を調整する、あるいは可視化ソフト自体を自作する、などにより、本来の研究以外での作業が増大することは容易に生じます。

MyriaViewは入力データ形式として、CSVファイル・バイナリファイルなど簡素で汎用的なものを処理可能とします。これらは内部的には多次元的なデータ構造を持ちませんが、構造を別に記述することで多次元・多チャンネルデータを格納し、取り出すことが可能です。MyriaViewでは、データの構造情報を別にファイル保存し、再利用できます。これにより、形式が簡素で処理の負荷が小さいファイルに保存されたデータ処理やシミュレーションなどの結果を、容易に表示可能とします。

入力データ特性を正確に理解するための機能

入力データを表形式で表示・データ要素と表示結果を連携

入力データの可視化は、データの特性を理解する上で有効な手段です。しかし、正確な理解のためには入力データの各要素の数値と、表示結果各部の関係を厳密に求める必要がしばしば生じます。

MyriaViewでは、入力データを入力チャンネル・空間軸に従って表形式で表示可能とします。また、表中で指定した入力データの要素に対応する、表示空間中の位置を示します。さらに、表示空間中で指定された位置に対応する入力データの要素を特定し、表形式で表示します。これにより、両者の次元が異なる場合特に困難な入力データの各要素と表示結果の間の関係把握を容易にします。

表示条件を選択肢と整数値で指定

既存のデータ可視化ソフトウェアには、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を駆使して複雑なカラーマップの設定やカメラ条件などを自由に操作できるものが多数あります。これらは大変便利ですが、異なる入力データ間で可視化の結果を比較するような場合に、表示条件を厳密に制御することが難しく「大体同じ」にしかならない場合もしばしば生じます。これは、実験結果を詳細に比較するような場合には望ましくありません。

MyriaViewがサポートする表示条件は基本的なものに限られますが、カラーマップの条件設定から3次元のカメラ回転パラメタに至るまで、入力データの表示条件を選択肢と整数値で指定可能とします。データ間の比較などを行う際に、表示条件の統一を厳密に行うことができます。