時空間4次元データの可視化

外部からの周期的な刺激に対する頭部PET画像やfMRIなどを想定した、シミュレーショ­ンにより生成した時空間4次元データの可視化例を示します。特­徴的な空間位置での時系列の探索・表示と、該当位置の特徴的な時刻での3次元分布の表­示を行います。(データはサンプル中に保存 ダウンロード

課題:頭部PET画像やfMRIなどの時空間4次元データに対しては、外部からの刺激の変動と相関の高い計測時系列に対応する3次元空間中の位置を探索することで、刺激と関わる脳内部位の検出を図ることが行われます。しかし、4次元データ中から特徴的な時系列を目視により探索して取り出すことは通常困難です。刺激パターンと相関の高い時系列を抽出することは通常行われますが、刺激以外の要因による計測値の変動により適切な相関値が得られない場合が頻繁に生じ、相関の評価値を算出する際に対策を要します。

MyriaViewによる解決手法:4次元データを1空間軸-時間軸による2次元空間に投影(最大値を算出)し、投影像上で観察される特徴的な時系列に対応する空間軸上の位置を目視により選択します。選択位置による時空間断面について、他の空間軸に関する同様の2次元投影像の抽出と空間軸上の位置選択を繰り返し、注目する時系列に対応する3次元空間中の位置を求めます。

※ここで対象としたシミュレーションデータでは、刺激に伴う計測値の変動を大きな値の差異として表現しています。しかし、PETやfMRIの実際の値は変動が微小なものである場合が多く、従ってこの例の様には容易に位置選択が実現出来ないものと考えられます。御了承下さい。

入力データ:チャンネル数=1(計測値)、次元数=3(30x40x20(空間軸))のCSVファイルリスト(ファイル数=100(時間軸))( data(100).lst をサンプルデータ中に保存)

操作手順:

(1)1チャンネル(ICh0)・4次元(IDim0-3)としてデータを入力します。(MyriaView操作:メインウィンドウのメニュー>[File]>[Load Data]で表示するウィンドウ内で処理;サンプルデータ中のデータ構造ファイルdata(100).dstにより指定可))

(2)表示チャンネル・表示空間軸の条件を設定します。必要に応じて、初期条件として表示空間を3次元画像系列とします。(MyriaView操作:メインウィンドウの[Set Channels/Dims View+]ボタンで表示するウィンドウ内で処理)

(2-1)表示チャンネル数=1、 表示チャンネルP=ICh0とします。必要に応じて離散化条件を調整します。

(2-2)表示次元数=3、表示空間軸X=IDim0、Y=IDim1、Z=IDim2とします。[View Data Series]を選択し、Series=IDim3として3次元画像系列を表示します。

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(3)表示次元数=2、表示空間軸X=IDim0、Y=IDim3とし、時空間4次元データを1空間軸・1時間軸による2次元空間に投影(最大値を算出)します。(MyriaView操作:メインウィンドウの[Set Channels/Dims View+]ボタンで表示するウィンドウ内で処理)

(4)X軸に沿ってカーソルを移動し、特徴的な時系列に対応する空間軸上の位置を目視によりX=IDim0=Val0を選択します。(MyriaView操作:メインウィンドウの画像表示パネル上でのマウス操作などにより処理)

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(5)以後の空間軸切り替えで現在の空間軸が残余空間軸となった場合に、現在のカーソル位置を残余空間軸上の位置として断面を求める様に設定します。(MyriaView操作:メインウィンドウの[Set Channels/Dims View+]ボタンで表示するウィンドウ内で処理)

(6)表示次元数=2、表示空間軸X=IDim1、Y=IDim3とし、残余空間軸位置をIDim0=Val0とする3次元断面像を1空間軸・1時間軸による2次元空間に投影(最大値を算出)します。(MyriaView操作:メインウィンドウの[Set Channels/Dims View+]ボタンで表示するウィンドウ内で処理)

(7)X軸に沿ってカーソルを移動し、特徴的な時系列に対応する空間軸上の位置を目視によりX=IDim1=Val1を選択します。(MyriaView操作:メインウィンドウの画像表示パネル上でのマウス操作などにより処理)

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(8)表示次元数=2、表示空間軸X=IDim2、Y=IDim3とし、残余空間軸位置をIDim0=Val0、IDim1=Val1とする時空間2次元断面像を表示します。(MyriaView操作:メインウィンドウの[Set Channels/Dims View+]ボタンで表示するウィンドウ内で処理)

(9)X軸に沿ってカーソルを移動し、特徴的な時系列に対応する空間軸上の位置を目視によりX=IDim2=Val2を選択します。(MyriaView操作:メインウィンドウの画像表示パネル上でのマウス操作などにより処理)

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(10)表示次元数=1、表示空間軸X=IDim1とし、残余空間軸位置をIDim0=Val0、IDim1=Val1、IDim1=Val2とする1次元断面像を表示します。(MyriaView操作:メインウィンドウの[Set Channels/Dims View+]ボタンで表示するウィンドウ内で処理)

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(11)必要に応じて、時系列を抽出した位置での3次元空間分布を表示します。

(11-1)X軸に沿ってカーソルを移動し、X軸上の特徴的な位置(ここでは軸に沿った最大値)を目視によりX=IDim3=Val3を選択します。(MyriaView操作:メインウィンドウの画像表示パネル上でのマウス操作などにより処理)

(11-2)表示次元数=3、表示空間軸X=IDim0、Y=IDim1、Z=IDim2とし、残余空間軸位置をIDim3=Val3とする3次元断面像を表示します。これは、3次元画像時系列から指定した1時刻の画像を抽出したものに相当します。(MyriaView操作:メインウィンドウの[Set Channels/Dims View+]ボタンで表示するウィンドウ内で処理)

(11-3)カーソル位置をX=IDim0=Val0、Y=IDim1=Val1、Z=IDim2=Val2に移動する。

(11-4)必要に応じて表示チャンネルのカラー・不透明度マップを調整します。この例では、カーソル位置周辺に高計測値の領域が存在することが確認できます。

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最終更新:2015年6月4日

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